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デザイナーインタビュー:新作の魅力とデザインへのこだわり vol.2

2025.06.19.

ーSeersucker Frills seriesー

涼しさと華やかさを両立する、夏にぴったりの「シアーサッカーフリルワンピース」。
肌離れのよい素材と細部に宿る工夫が、着る人をすっきり美しく見せてくれます。
今回は、デザイナーにこの一枚に込めた想いを伺いました。

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シアーサッカー/リップル

Q.今回使用された生地について教えてください。

A.ストライプ柄にはシアーサッカー、無地にはリップルという素材を使用しています。

どちらも表面に凹凸があるため、肌との接地面が少なく、通気性に優れているのが特徴です。
汗で肌に張り付きにくく、まさに夏にぴったりの素材ですね。
この2つは昔からある素材で、たとえば子供用の浴衣にも使われるなど、
肌触りがやさしく、親しみのある生地です。
近年の厳しい暑さもあって、こういった起伏のある素材へのニーズが高まり、
市場でも様々な種類が流通しています。
その中でもポンデシャロンらしく、大人のワードローブにぴったりな
ユニークかつ洗練された雰囲気の生地を選びました。

シアーサッカーとリップルは似た印象の素材ですが、仕上がりには違いがあります。
シアーサッカーは織りで凹凸を出し、リップルはアルカリ性の溶液で加工して凹凸を作ります。
今回使用したリップル生地は、一般的な全体加工ではなく、
加工を部分的に施さないことによりドット柄になっているんです。
このドットの表情がとても面白く、遊び心があって楽しいなと思い、採用しました。

Q.デザイン面で特にこだわったポイントは?

A. まず、フリルの分量にこだわりました。
フリルってデザインによっては肩幅を広く見せたり、体が大きく見えたりするので、
そうならないように何度も試作を重ねて、ベストなバランスを見つけました。
また、サイドの切り替えラインに沿ってフリルを配置することで、
すっきりとした印象になるようにしています。
フリルは付け止まりに向かって細くして、フリルのひらひら感に余韻が感じられるようにしました。
肩や胸にボリュームがある方でも広がらず、すっきりと内側に収まるようなシルエットを意識して
前後ともにタックは内向きにデザインしています。
最初はギャザーを採用していたのですが、生地に立体感があるため、
ギャザーだと膨らんで見えてしまって。
そこで、内向きのタックに変更することで、ボリュームを抑えてシャープに仕上げています。


Q. タックを取り入れた理由は?

A.まず、裾に向かって広がりが出ることで足さばきが良くなるようにという機能的な理由があります。
それに加えて、布をたっぷり使っているのに、タックで折りたたむことで肩や胸まわりはすっきり、
でも足元はふんわり広がる。
そのコントラストがすごく美しいと思って、このデザインにしました。

Q.ブラウスとワンピースでデザインを変えた理由は?

A.ブラウスにはブラウスの良さ、ワンピースにはワンピースのベストな形があると思っています。
同じデザインで丈だけ変えると、お客様も選ぶ楽しみが減ってしまうかなと。
迷わせすぎてしまうのも本意ではないので、それぞれのアイテムに最も合ったデザインを心がけました。
ブラウスのフリルは甘さ控えめなので、可愛すぎるのはちょっと…という方にもおすすめですよ。

A. そうした細部のこだわりは、たとえばボタンなどにも?

Q.はい、ボタン選びもとても大切にしています。
ブラウスには、ハトメを効かせたややトラッドな印象のあるくるみボタンを選び、
きちんと感を出しました。
一方でワンピースは染め加工のボタンにして、アクセントをプラスしています。

Q.おすすめのスタイリングがあれば教えてください。

A.ワンピースはやっぱりペチパンツと合わせて着ていただくのがおすすめです。
特に赤のストライプには、白のペチパンツを合わせると気分も上がって、
夏らしいスタイリングになります。
ワンピースは一枚でさらっと着られるのも魅力なので、小物で変化をつけるのも楽しいですよ。
例えば、ポンデでも取り扱いのある白いグルカサンダルやジュートライクハット、
白のペチパンツを合わせれば、爽やかナチュラルな着こなしに。
スポーツサンダルやキャップを合わせてボーイッシュにカジュアルダウンするのも、
鎌倉散策などにぴったりです。
ブラウスはバミューダパンツやデニム、リネンボトムとコーディネートしても可愛いので、
いろんな着こなしを楽しんでいただけたら嬉しいですね。

PONT DE CHALONS
デザイナー・小山

国内ブランドのアパレルデザイナーを経験後、渡仏。
在仏時はフリーランスデザイナーとして現地ブランドに従事するなど、ユニークな経歴の持ち主。
ノートルダムの鐘の音がかすかに届く、小さな屋根裏部屋でのパリ暮らし。

窓から差し込む光、洗練を纏った街角、
蚤の市で出会った、フランスの手仕事に宿る美意識。
そのひとつひとつが、今の服づくりのエッセンスになっている。
趣味は、部屋の空気を変えるように
インテリアを整え、次の旅先を思い描くこと。

澄んだ空や森の匂いを求めてアウトドアへ出かけ、
夜はお気に入りのお笑いで声を上げて笑う…

そんな自由な時間が、暮らしとクリエイションに
軽やかな遊び心を添えています。

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